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花咲く夜に
第2章 移転
『タバコ、吸うのね』


pieceだ。
かなりタール量は多いタバコである。

『ああ。
昼間は、祖母さんがうるさいから。たまにしか吸わないけど、
酒とタバコはやるよ』


『1本ちょうだい』


『え、アンタ吸うの?
意外』


めぐるは箱ごと取り、
中から1本取り出して火を点けて吸った。

『結婚するつもりで居たから、
禁煙してたんだけど。
吸いたくなったの』



『ふうん。
相手、お堅いヤツだったの?』

根掘り葉掘りは訊かないが、
流れでつい訊ねた。


『堅くはないけれど。
まさか、
結婚予定なのに二股してるとは思わなかったかなぁ………ケホッ、久しぶりだからむせる……キツい』

車は夜道を延々走る。
山の中から少し離れた街に出た。
〔深山町〕【ミヤマチョウ】と標識にある。


『深山町………。
山を出たのに深山なのね(笑)』

『俺も土地の名前と由来は謎だな。谷津川も川無いしね』


車は安全運転で、
スピードもゆっくりめだ。

少し拓けた場所に着く。

『着いたよ。
降りてみ』
貴斗は先に降りた。

めぐるも続いて降りる。
貴斗が身体を向けた方向を見る。

『うわぁ…………
スゴい』


遠くで無数の光が、
暗闇の中で升目のように整列して並んでいる。

『あれは、何?何の光なの?』

『梨を作っているんだ、
あの辺りは。
電照栽培といって、太陽の代わりに夜に光を点けて成長を促進させるの。
その電灯の光。
遠くから見ると何かと思うでしょ』


『色々な方法があるのね………
面白い』


『良いモノかどうか分からんけど(笑)
面白いでしょ』
貴斗がめぐるを見て微笑むと、
めぐるは大きな目を開いたまま涙を溢していた。
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