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恋するアイドル❤︎〜内緒の発情期〜
第1章 初めまして、恋するアイドルみゆりです❤︎
どちらもやっぱり柔軟剤の香りがしたが頭から被ったパーカーからは、ほんのり甘酸っぱい匂いがした。
私はタオルは受け取らず、

「……大丈夫です」

パーカーの方に包まるようにして泣き顔を見られないようにした。

「一旦さっきまで着てたワイシャツに着替えて下さい……。スカートは……さすがに脱げない……か……って……」

途端、無表情だった八反田さんの顔付きが変わった。
それもそのはず。
私がなにも言わず、スカートのチャックを下ろし、床に落としたからだ。

「なっ……えっえっえ、えっ?」

さすがの八反田さんもコレには狼狽せざるを得なかったらしい。
瞬きを数回うちならしたあと八反田さんは頬を染めて背中を向けた。
アイドルになるって覚悟した瞬間から私はこれくらい恥ずかしくもない。
それにもう八反田さんには夢で免疫が付いているから大丈夫。
だから……。

「答えが欲しいんです……」

「え、え、あ、ああ?……っと、なんの?」

私は濡れたTシャツを脱ぎ捨てると下着だけになった。
八反田さんは振り返ろうともしないから分からないはず。
だけど背中にピタっと吸い付くように身を寄せたとき、八反田さんの身体が強張ったのを感じたから、流石にこれから先何をされるかは考えたと思う。

「もし、このまま誰かに見られたら、八反田さん、結構ピンチですよね」

「そうですね……流石にちょっとこれは……まずいですね」

「見られたら、どう対処しますか?」

「全て正直に話します。私は何もしていませんと」

「そうですか……だったら私も同じです。今の言葉をそっくりそのままお返しします」

ゆっくり八反田さんから離れると私は自分の着ていたワイシャツに腕を通した。

「……なるほど、あなたの言い分はわかりました」

八反田さんが胸を撫で下ろすように、

「ではあなたは被害者だと?」

無表情で続けた。
はいと、私は静かに答える。

「……分かりました」

八反田さんは左手で自分の顎先を撫でていた。
何やら考えて、それから私に向き直った。
もう慌てた様子はなかった。
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