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怪しい薬の研究所
第4章 高校生の友人同士が……
「それだけじゃないわよ。テレビはあくまでも最後の最後『このままでは実験失敗』ってときに用いる最終手段であって、その前に試すべき仕掛けがあるわ。もし、あのお薬入りのお茶だけでは、どうにもならないと思ったら、こっちのリモコンをまず使うのよ」

 今度は、さっきとは逆のポケットに手を突っ込むと、青くて小さなリモコンらしき器具を取り出す莉央菜。

 宮元にそのリモコンを見せつつ、莉央菜が話を続ける。

「モニターでは確認しづらいと思うけど、あの実験室の北西の壁に設置されている換気扇の隣に、スピーカーに似た装置が備え付けてあるわ。このリモコンの丸いボタンを押すと、その装置が起動する仕組みよ。その装置がどういう働きをするのかは、起動させたときに説明するわ。願わくば、今までどおり何事もなく実験が進んで、その装置もテレビも使用しないまま終わるのがベストね」

「なるほど、色々と考えてらっしゃるんですね。もしかして、その装置って……莉央菜所長が最近かなり開発に精を出しておられるという、例の薬に関係しているんじゃありませんか? 昨夜のベッドで、その薬のお話もされてましたし」

 莉央菜は感心したように笑って答える。




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