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怪しい薬の研究所
第4章 高校生の友人同士が……
 しばらく無言で堪え続けていた二人だったが、桜子の我慢は既に限界に近づいていた。

 思わず「あぁん」と声をあげてしまい、慌てて口をふさぐ桜子。

 しかし、幾度も幾度も、声はどうしても口をついて出てしまっており、徹がそれに気づいて言った。

「苦しそうだな、桜子。俺、こっち向いてるから……そこで、してもいいぞ」

「あぁん……。ご、ごめんね……」

「俺に謝る必要なんかないって。ティッシュやハンカチは、持ってるか?」

「持ってるんだけど……。あぁっ……。取りに行けない……。動けないの……」

「じゃあ、俺のを貸してやるよ。俺が……」

 言いかけて、口をつぐむ徹。

 徹は気づいたようだ。

 もし、ティッシュやハンカチを桜子のもとに持っていくと、そのときに、股間のふくらみに気づかれてしまうということに。



 徹の言葉が途切れた理由を、桜子は全く不審には思っていなかった。

 なぜなら、徹も苦しんでいることを知っていたので、「会話がしづらいほどに苦しいんだろう」と想像したからだ。

 自身がまさしく同じ状態だったので、桜子としてはそういう想像をしてもおかしくない状況だった。




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