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怪しい薬の研究所
第1章 大学生の友人同士が……
「あ……く……」

 不意に凜が声を漏らす。

 慌てて口を押さえるが、時すでに遅しで、太一にも聞かれてしまっていた。

 太一が苦痛に顔を歪めながら、それでも無理やりに笑顔を見せて言う。

「これは……きついな。凜もか?」

「う……」

 凜は口を両手でふさいだまま、答えることができなかった。

 頭の中に靄(もや)がかかったように、ボーっとしており、太一の言葉すらしっかりと把握できない状態なのだ。

 それでいて、性的興奮を覚えていることについては、必死で太一から隠そうとする凜。

 だが、太一の方が耐え切れなくなったようで、おもむろに立ち上がると言った。

「隠していてもしょうがないから、言うけど……。あいつら、何か薬を使っただろ。このお茶かもしれない。とにかく、卑劣なやり口だな……。凜、すまない。悪気はないんだけど、僕は変な興奮に襲われてる」

 この言葉で、凜はかなり救われた。

 太一も同じ苦しみを味わっていると本人の口から確認できたので、「自分だけではない」という連帯感をしっかりと感じることができたからだ。

 凜が勢い込んで言う。




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