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怪しい薬の研究所
第1章 大学生の友人同士が……
 太一の視線を感じ、凜は恥ずかしそうに股間と胸に手を当てて隠す。

 今の今まで、2度にわたって行われた性行為は夢か幻だったのか、と思わせるほどの恥じらいっぷりだ。



 太一もまた、気まずそうに凜に背を向けると、ぎこちない動きで後始末を開始した。

 部屋に持ってきたポシェットに、二人はティッシュやハンカチを入れていたので、それを使用して。



 一言も会話しないまま、黙々と後始末を済ませ、服を元通りに着る二人。

 そこでやっと、太一が口を開いた。

 凜は何か言いたそうな素振りを見せるも、言葉を飲み込む様子だったので。

「色々とごめんな。じゃあ、あの作業の続きをやろう。さっさと終わらせて解放されたいしな」

「うん、そうだね」

 気まずそうに視線をお互いからそらし、なぜか相手の目を見ない二人。

 薬の効果が切れたのか、欲情の波が一気に引いていった様子だった。

 そして、そうなってしまうと、恋人同士ではない二人にとって、さっきの行為がはなはだ気まずく、気恥ずかしく感じられたのかもしれない。



 二人は黙って席に戻ると、ペンを手に取り、作業を再開した。




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