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いろごとプリズム
第12章 ラブホで逃避行
「こないだ言ってた新曲、ラブソング。お蔵入りさせます。気持ちの整理がつかないんで」
「どういうこと……?」
気持ちの整理がつかない……、カミマPこと悠真の状態が垣間見えた。そして、ルーナとのやりとりが気になってしまう。

「私がその気持ち、整理してあげる」
「じゃあ頼もうかな」
「カミマP大好きだもん。なんでもする」
「ほんとになんでも?」
「えっちなことでもいいよ!」
「マジで!」
「いつでも言ってね」

(こないだ見た時には敬語でやりとりしてたのに……、この子、タメ口になってるし、なんだか……、いやいや、会った事もない子なんだし気にしたって仕方ない!けど……)
ルーナのプロフィールを見ると、カミマP愛してる、一緒にスタジオ入りたい!デートしたい!と書かれている。ルーナは可愛い感じの女の子だ。気にしないように、と思うと尚気になる。けれどとにかく、これを見たら尚、連絡しづらくなってしまった……。

電話が鳴る。登録外で、誰だかわからない。
「……もしもし?」
「あ……、高岡?俺、小暮だけど」
「えっ……、小暮くん!?なんで番号……、」
「ごめん。望月から聞いた」
優奈め……、勝手に人の個人情報を……!
「望月も言ってただろうけど、心配でさ。学校行くのが億劫なら、俺とどっかで会わない?」
サーヤは迷った。いい気分転換にはなりそうだけど、またこうして中途半端に頼るのはどうなのかと……。
「ありがとう。でもいいよ、悪いから」
「……俺が高岡に会いたいんだけどな」
「えっ……?」
「わかってる、いろいろ大変な時期なんだろうから何も言わないでいいよ。ただ、高岡が心配でさ……、顔、見たいだけなんだけど、ダメ?」
その声には優しさしかなかった。サーヤは了承し、夕方の渋谷へと出かけて行った。
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