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光 “I can see your halo.”
第1章 別れと始まり
「二人も起きた方がいいよ!」

知花の声が頭に響いた。
なんとか目は開いた。
けれども、身体が動かない。
頭が割れそうに痛いし、手足に力は入らない。
隣で寝ている美怜が何か言っているけど、全然聞き取れない。
知花が身体を揺すって来るから、それがまた辛い。

「あぁー…、あーたーまーいーたーいー…」

自分で発した言葉ですら、自分を苦しめる。
あ…頭がガンガンするー…
ガサガサ音がする。
片付けてくれている?
でも、その音もやめて欲しい…

「うっ!ヤバッ…、きも、ち、わるっ…」

突然襲ってきた嘔吐感に、慌てて起き上がり、トイレに駆け込んだ。
便器にすがり付くような体勢で嘔吐感を解放した。
何度も出しきったと思っても、次から次へと襲ってくる嘔吐感。

今の私って惨めなのかな…
男に振られて、お酒をあおって、酔い潰れて、トイレに籠るって。
惨めでもなんでもいいから、早く忘れてしまいたい。
全部一緒に吐き出して、きれいさっぱり水に流してしまいたい。
そんな事を考えながら、私は気が済むまで美怜の家のトイレを占領した。

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