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遅咲きのタンポポ
第6章 遅すぎた自覚
転勤⁉︎

武井さんの言葉に耳を疑う。

「転勤って⁉︎」

「実は…年明から、アメリカに行くことになってるんだ…」

アメリカ⁉︎

しかも年明けって、もう何日もない。

あまりの急展開に、言葉もなく、
ただ瞬きを繰り返し、頭の中を整理しようと試みる。

「ずっと…?」

「予定は2年…でも、延びる可能性もある…」

「そう…」

「沙織ちゃんと知り合って、割とすぐに転勤の話が出て。
もっと早く、沙織ちゃんに本心を打ち明けてたら、もしかしたら恋人になれてたのかもしれない、とか。
そしたら何か違ったかも、って、後悔しかできなくて。

余裕あるフリして、友達からなんて言った手前、舌の根も乾かないウチに告白なんか出来なくて。
でも、恋人でもないのに、帰って来るまで待っててなんて言えないし。
離れたら、きっと俺の事なんて忘れちゃうんだろうな、って思ったら、我慢できなくて…」

武井さんの声が震えてて。

それを聞いただけで、私の目頭も熱くなる。
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