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第12章 告白

信号待ちで武井さんは私の方を向いて、

「良かった。やっぱり沙織ちゃんは思った通りの女の子だ。」

と笑った。

思った通りって、何がだろう？

信号が青に変わり、また車が走り出す。

「女の子の中にはさ、男の車とか、持ち物とか、自分のステイタスみたいに思ってる子もいるでしょ？ダサい男とは付き合いたくない。車くらい持ってなきゃカッコ悪い、みたいな。」

そりゃ 、ダサいよりはカッコいいほうがいいけど…
でもそれだって自分とのつり合いで、
自分がそう思うってことは相手もそう思ってるってことだ。

男の人だって、ブスよりカワイイ子の方がいいに決まってる。車に関しては、よく分からないけど…
ボロボロの壊れそうな車とか臭いとか汚いのは嫌だけど…

「そういうコって、さっきみたいな質問すると、あり得ないって鼻で笑うんだよね。例えば、デートで車に乗ってるとするでしょ？
男と軽に乗ってるトコなんか友達に見られたら恥ずかしいって。軽しか乗れない男と付き合ってると思われる、それだけで安い女になった気がするんだろうね。」