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遅咲きのタンポポ
第12章 告白
「プレゼントにしても、俺が似合うかな、と思って選んだものなんかちっとも喜んでくれなくて。
喜ぶ基準は自分のリクエストが叶うかどうか。人が持ってるものの、ワンランク上じゃなきゃ納得しない。
だんだん、彼女が見てるのは、俺自身じゃなく、俺の肩書だけなんだろうなって。
結局俺も、彼女が身に纏うアクセサリーの一つに過ぎないんだって気付いたら、なんか虚しくなって。
それでも俺は彼女が好きだったから、しばらくは合わせられるように努力した。でも、やっぱ無理は長続きしなくて。いつまで自分を偽り続けないといけないんだろうって、なにやってんのかなぁって、惨めになってきて。距離を置こうって、俺から言った。
そしたら急に掌返して。私には貴方しかいないから、なんて縋ってきてさ。あー、自分の虚栄心を満たせる新しい男を探すのが面倒なんだろうな、俺がずっと尽くしてたから、コイツは逃げない安パイだ、ってタカを括ってたのに逃げられかけて焦ってるんだな、ってわかって一気に冷めた。その場で別れたよ。」
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