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妄想H短編集
第15章 チアヤンにプリスカで
部室棟の中庭を巡回中
「きゃー、きゃー」
女子部室棟から女子数人が駆け出して来た
「あっ美化委員!」
美化委員の腕章を見つけてこっちに来た
「美化委員、ゴキブリ!」
「何でやねん!」
「部室にゴキブリが出たの!」
「へー、どうせ部室にお菓子でも置いてんでしょ。ちゃんと持ち帰るか処分してくださいね」
「ゴキブリ退治してよ!」
「なんで僕が?」
「あんた美化委員でしょうがっ!」
「それは僕の仕事じゃないです」
「いいからっ、早くして!!」
結局手を引かれ、背を押され女子部室棟に連れ込まれた
「…で、どこ?」
「ここよ、テニス部」
開け放たれた扉から押し込まれる
「…どこ?」
「天井…あの辺り」
指差す方を見てもいない
「…もう逃げたよ」
帰ろうとしたけど出口に女子が固まっていて出られない
「…あ、あれ…」
差す指が少し下がったので振り返ってみると
ロッカーの上にゴキブリがいて
こちらに飛んできた
「ギャー」
女子達は叫び声を上げて逃げて行った
僕は咄嗟に横にあったホウキを掴んではたき落とした
「やった!」
しかし机に落ちたゴキブリはサササッと走り出した
「待てコノ!」
ホウキで追うと机から椅子へ移動した
椅子の背にはテニスのユニホームが掛けてあり
どうやらヤツはその下にいるようだ
「それっ!…」
ユニホームを掴み上げ
椅子の背に向かってホウキを振り下ろそうとしたが
いない…どこだ?
ふと左手に持ったユニホームを見る
ここか?…
床に振り落とそうとしたが
落ちてこない…
ホウキを置き、ユニホームを拡げて中を覗いて見た
ユニホームは白いヒダヒダのプリーツになったテニススコートだったが
中にいると思ったゴキが見当たらない
あれっ?

「オイ!」
声がするので頭を上げると
チアリーディング部の女子が仁王立ちでこちらを見下ろしていた
ゲッ!3年の湯川まどか…
美人でスタイルも良いのだが
この学校を束ねるヤンキーの親分だ
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