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夜は、毎晩やってくる。
第7章 男と女の幸せ
初めてのキスは高校二年の夏。
彼に手錠をかけてした。
「……今日は誰もお家にいないから、順がキスだけじゃ我慢できなくなったら恐いもん」
「僕、そんな事しないよ」
心外だというように、少し口をとがらせた順は日菜のひとつ下。
部活の後輩だった。
日菜を始めとする女子部員たちが、いつもお菓子をあげては可愛がる、あどけない顔立ちそのまんまのおとなしい性格。それに素直で何でもいう事をきく。
だから、そんな事はしないってわかっていたけれど。
やめてって言えば絶対やめてくれるって信頼できるのだけれど。
でも、それが本当の目的じゃなかったから、日菜は目を細めて無理矢理せがんだ。
「お願い……初めてだから、ちょっと恐いの」
そう言われれば、優しい性格の順が断れないのを知っている。
差し出された手首に、あらかじめ準備しておいた太い革製のリストロックを嵌めると、短い鎖に繋がれて、左右の手首がほとんどくっつきそうな距離で固定された。