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スーパーヒーロー
第1章 僕はオタク

僕はオタクだ。
高校に通いながらも、そのオタクとしての人生をとても謳歌しているつもりだ。

「じゃまだどけ!」

「あっ・・・!」

蹴とばされたって大丈夫。

「ハハハハハハ!!!ダッセェなあいつ!」

「ほんと、トロいオタクだよなー」

何を言われても構わない。

「・・・・」

毎日毎日蹴とばされ、笑われ、教科書は地面に散らばるし、それを誰も拾ってくれない。
廊下で膝をつき、下を向いたままの僕は、
いつも、ある言葉を胸に言い聞かせるんだ。

「・・・」

(僕にはヒーローがいる!!!!!!)














午前の授業が終わり、お昼の時間だ。
僕は、いつも座っている食堂の一番隅のテーブルに腰を下ろす。
窓からさす日の光も届かない席、だけど一番落ち着く。

ゴソゴソ・・・

「よし、ちゃんとある」

そう手元にリュックから取り出したのは、僕のスケッチブックだ。
僕はコミックも人一倍たくさん読むけど、何よりも自分で考えたヒーローをこのスケッチブックに描くのが好きなんだ。
これは僕の一番の宝物と言ってもいい。

お金はよく脅されて持っていかれることもあるけど・・・
このスケッチブックを失うよりかはまだましだ。

しかしつい先日・・・・・・





(回想)






「おい~、何やってんだよ~???」

「い、いや・・・僕はなにも・・・」

(な、なんでこっちにくるのーーーー!?!?)

いつも通り貴重な休み時間に絵を描いていたら、急に声をかけられた。
校内ではまあまあ有名ないじめっ子たちだ。

「ん?なんだそれ??」

「っ!?・・・いや、これは、・・・なんでもないよ。・・・ただのノートだよ」

(ス、スケッチブックを守らないとーーーっ!!!!!)

「ふ~~~ん・・・・」

「・・・・・」

僕は必死にスケッチブックを守ろうと、相手から目をそらし続けた。
しかしこいつは、頭の悪そうな顔してんのに、少しは鼻が利くみたいで・・・

「よっとお~!!」

「あっ・・・!?」

僕はあっさりと、後ろにいた別のやつにスケッチブックを奪われてしまった。
・・・まるで、よくあるB級映画のワンシーンみたいだ。

「か、返してよっ!!!!!」

「いやだね、オタクが何様のつもりだ!!」

「っ・・・・・」

「どれどれ~」

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