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スーパーヒーロー
第2章 アンリ
僕は正直、今この瞬間を夢だと思っている。
きっとここで彼と別れたら、夢が覚めてしまい、学校でアンリに会っても、僕の名前すらしらない、さっきみたく話をしたことすらも、友達になったことも全て無かったことになってしまうんじゃないかと、僕は少し思っている。
そんなドラマチックなことあるわけないと、常識的に考えれば済むことなのだが。
彼に会ったこと、話をしたこと、友達になれたこと、今日彼と僕との間で起こったこと全てが、僕の中では奇跡として認識されているのだから、非現実的なことが起こったとしても無理はないかな、とも考えてしまうのだ。
全てが夢なら・・・だったらいっそ・・・
彼と一緒にいる今を、この瞬間を大切にしたい。
少しでも夢を見られる時間を延ばしたい。
「どうする?ジョシュア」
あぁ、初めて名前を呼ばれた・・・。
僕は、この夢に恐怖を感じる部分もある。
今僕が踏み込もうとしている領域は、未知の領域。
友達の家に行くことがそんなに怖いかと問われればそうではない。
なんだろう、僕だけの、今の僕だからこそ感じるこの感覚。
踏み込んでいいのか、踏み込んではいけないのかわからない。
これはなんだ?
僕は何かを恐れている。
まるで、これ以上彼と一緒にいたら、自分が傷つくかのような・・・。
僕の心は、彼に受け止めてもらいたいことがあるみたいだ。
僕は彼に、いったいどんな感情を抱いてしまったのだろうか・・・
第3章に続く→