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人妻淫ら調教
第5章 悪魔の企み
 罠が閉じるのを玲奈は感じながら、抵抗できる隙はないか探していた。
 しかも、二人だけの部所、相手は山口五郎。
 金曜日の夜、玲奈を地獄に落とした相手だった。
 玲奈の窓際という言葉に課長は少し当惑した表情で、


「いや、窓際っちゅう訳でもないんやけどな。まあ、ハッキリ言うて、窓際かな?ワシにもようわからへんねん。金曜日の新年会の前に支社長から急に言われたんやわ。詳しい話は山口さんに聞いてくれって言われてるんや。」


「えっ、そんな、無責任な!山口さんは、わかりますけど、なんで私まで窓際なんですか!」


 詰め寄るように言うと、玲奈の勢いに押されるように、


「いや、あの、嫌なら断れば良いんだから。それに、俺は何にも知らんのや。支社長から言われただけで。あっ、山口さん、説明してやってください、彼女が高野さんです。」


「金曜日はどうも、高野さん。山口です。課長から話は聞かれてると思うけど、来月から一緒に仕事をさせてもらうので、よろしく。」


(うそっ、アイツやわ!どうしよ、逃げられへん。罠やわ!)


 五郎が出した右手を不承不承握り、握手をした。
 玲奈は相手の顔をまともに見ることができなかった。
 すぐに手を放したが、五郎の顔に皮肉な微笑が浮かぶのを、彼女は目の端でとらえていた。


「あっ、金曜日はどうもありがとうございました。あの、今聞いたばっかりで、混乱してるんです。」


「えぇ、わかります。僕もさっき聞いたんで驚いてるんです。まあ、サラリーマンですから、文句も言えませんがね。それと、課長、あの件は伝えてるんですか?」


 五郎がからかうような口調で聞くと、


「あっ、そや一番大事なことを言い忘れてた。高野さんが、断ったら来月末で辞めてもらえと支社長に言われてますんで、私も言いにくいんだけどね。」


「そ、そんな、パワハラじゃないですか。でも、異動をオッケーすれば良いんですね。わかりました。お受けします。」


(ばかっ、断りなさい、アイツと手が切れるのよ!けど、アイツ、別の手を打ってくるわよ。)


 玲奈が答えると、課長が口を開く前に五郎が、


「良かったぁ、早速、高野さんと一緒に新しい部所を見ましょうか。」


 えっ、なんでと彼女が言葉を発したが、五郎に肩をつかまれグイグイと廊下へ連れ出され、驚く間もなく唇を塞がれた。
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