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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第7章 風邪なんてオレにうつしてさっさと治しちまえよ♡ver.渚





「────…って、いう……夢…で……」

「………」

「…あは、あはは…はは……はは…は…」


渚くんが胸めがけてぶっさしてきたオリンピックなら金メダルどころか、完全に反則判定確実の黄金の槍に心臓に穴を開けられ、アタシは正直に彼にすべてを吐露していた。


「ッ……────」


ねぇ、こんなアタシを渚くんは…

呆れる?

それとも、お腹を抱えて笑う?


「………」


だけど…

思い切り顔を真っ赤にして苦し紛れの笑いすら限界で途絶えさせたアタシを、彼は一瞬たりとも笑わなかった。


それどころか…


「お前さ…」

「…ん、ぅ」


どこか真剣な面持ちの渚くんの手の影が顔全体を覆ったと思ったら、それは次の瞬間、当たり前のように額に運ばれて…


「な…なにこの手?」


だけど、もたらされたヒヤリとした感覚に過るのは覚えのある既視感で…

ってことは、これは夢の続き…なのか?

寝ぼけてんのかアタシは…


しかし…


「あ?なにって、まだ熱さがんねぇのかと思って」


へ……

熱………?


「熱って…」

「あぁ、さすがにまだ少し熱いけどだいたいもう下がったか」


真顔のままそう安堵の表情で息を吐く渚くん。

ねぇ、どうなってるのこれ…

これじゃまさか…


「あの、熱って…なに?」

「………」


夢だけど夢じゃなかった…的な…


いや、それともまだ…





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