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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第11章 クリスマスなんて…☆【渚】






……朝から千隼を泣かせた原因は完璧にオレにあった。


"ロヴァニエミには行けない"


事の発端はオレのそんなひとことだ。


ロヴァニエミとは、北欧フィンランド北部のラップランド、ラッピ州の州都こと。

そのロヴァニエミ中心街の北8kmにある、とある施設が本来の目的地で、そこには周囲を森に囲まれた幻想的なとある小さな村があった。

北極圏突入を示すボーダーライン、北緯66度33分線の通称"北極線"が村内の中心を貫いているという考えるまでもない極寒の地。その寒さなんて、行く前から想像すらする気にもならない場所だ。


それはそうと、そこがどうかしたのかって?

…あぁ、そこに千隼がどうしても会いたいやつがいるんだよ、泣くほどにな。


その名は"サンタクロース"。


そう…あのサンタクロースだよ。勿論、本物の。

そしてその村こそが、なにを隠そう子供が夢見る観光スポット、アイツが泣くほど行きたがってる"サンタクロース村"ってわけで。

文字通り、そのサンタクロース村にはサンタクロースがいて、ヤツの正式なオフィスもあれば、もちろんトナカイだっている。

そして、ラップランドといえばオーロラが発生するオーロラベルトに位置しているために、日本じゃまず見ることはないオーロラを拝むことができる。特に日が出ている時間の短い11月から3月までのハイシーズンは特に良いと言われ、12月なんてドンピシャだろ。




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