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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第12章 ちーちゃんの夏休み♡partⅢ♡





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「ほら、ちーちゃんもそろそろなかに入ろう。立てる?」


ぼんやりと己の身に起きた緊急事態の確認をしていると、腕のなかで溶けかけたアタシの耳元に今日一番の殺し文句を囁いた葵くんが、ヒラヒラと手を振った聖くんの背中を見送り何事もなかったような顔を見せた。

立てる?だなんてホントよく言う、アタシをこんな風にした張本人。


「…葵くん、酷い」

「うん?」


口を少しだけ尖らせてそれだけを言うと、流石に一番状況をわかっていらっしゃる王子の腕が伸びてきて、軽々とアタシのカラダを横抱きにした。本当は悲鳴をあげたいところだが、今は移動手段に選択肢がないゆえ、大人しく運ばれることにする。

そうしてやっとの思いで辿り着いた先は、どっからどう見ても南国の高級コンドミニアム。オーシャンフロントハウスのリビングらしき部屋のふかふかのソファーの上。

吹き抜けの天井には大きなファンが回り、開放された全面ガラス張りのバルコニーからは心地よい海風が吹抜けていく。


…で、ところでだ。

結局のところ、ここは何処ぞ!?

落ち着いたところでさっきからずっと聞きそびれてしまっている疑問が浮上する。

するとそこへ…


「…ちーちゃんっ♪」


─ドスッ!!


「んわっ!!」


アタシを開放した葵くんと入れ替わるようにして今度は聖くんが上から降ってきた。


「ねぇねぇ、荷物全部運んだの。オレ、偉いでしょ?あはっ、いっぱい誉めてー♪」


─ムギュッ♡

聖くんは思いきりアタシにしがみつくと、まるで仔犬が甘えるようにカラダを摩り寄せてくる。


……が、


「…ちーちゃん葵くんの匂いする」

「きゃ……ッ…!!」

「…さっきふたりで、何してたの?」


─ビクッ!!


背面から覆い被さり、アタシをうつ伏せにソファーに押し付けた聖くんが耳たぶに歯をたてた。






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