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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第4章 バレンタインの事情♡その③…渚…




おい…そんなの飲んだら、


「…いや、まだ死にたくねぇから」

「えー、疲れた時の特効薬なのに」

「それ、…お前だけな」

「…イレナサイ」

「ッ…やめっ!!」


あ…オレのコーヒー死んだ。


「………」


そういや、起き抜けに吸ったタバコも不味かった気がする。


オレ、末期だな…


ここ何日忙しくてあんまり寝てねぇし、徹夜で帰らない日もざらだったから確かに疲れてることに違いはない。


違いはないんだが…

どんなに疲れてても、どんなに寝てなくてもコーヒーとタバコが不味いと感じたことは今まで一度もなかった。

むしろその逆で、そんな時ほどカラダが欲して美味く感じる。


つーか、そこのお前…

コーヒー飲み過ぎ、タバコ吸いすぎで、カフェインとニコチン中毒なんじゃねぇの!?

…って、うるせぇな。


確かに末期とは言ったが、残念なことにオレが中毒を起こしてんのは、そんなもんじゃねぇよ。

そんなどこにでもある、金を払えば簡単に手に入るようなもんじゃね…ぇ…!?


「ッ────!!」


物は試しとカップに口をつけた途端、襲ってきた突然の吐き気に全身に鳥肌がたった。

オレは思わず読んでいた経済紙を放り投げて口元を手で覆う。


なんだこれ…

疲れてるとか、寝不足とか、体調が悪いとかの次元の話じゃねぇ。

隣の天使の顔した悪魔が大量に混入しやがった劇物にオレのカラダがまっとうな反応をする。







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