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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第17章 ちーちゃんの夏休み♡partⅧ♡





加賀美さんのサインで後ろに控えていた黒服のひとりが、外にいる仲間にスーツの襟裏の小型マイクで指示を飛ばす。

するとなにやらすぐに返事が入り、それは加賀美さんの耳につけられているワイヤレスタイプの超小型インカムにも入ったようで…


「…出掛ける前に葉山さま、"あちらの彼ら"はいかがいたしましょう」

「あぁ…」


って、


「──えぇっ!!?」


入り口の少し横を指した加賀美さんの声に、まさかのここで衝撃のご対面Part2が起こった。

防音ガラスでなにを言っているのかはわからないけれど、そこには必死に叫ぶふたりの姿がある。

それは言わずとも、雅くんと入れ替わりでここからつまみ出されたあのふたり。葵くんと聖くんだ。

ふたりは首根っこを強面のお兄さんに捕まれながらガラスにへばりつき、当たり前ながらもこちらに…正しくは雅くんに向かって猛抗議をしている様子だ。

するとそれを待ってましたとばかりに軽く鼻で笑ってみせる雅くん。それから彼は、ふたりに見せつけるようにアタシをソファーからゆったりと抱き上げる。


「…え、ちょっと!?」

「お前、ひとりじゃ歩けないんだからちゃんとオレにしがみついとけよ」

「そうじゃな…くて、っわ!!」


それから立った姿勢のまま彼にしがみつかされて、ぎゅっとカラダを抱きよせられる。






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