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今宵もネムリヒメに素敵な夢を...♡
第7章 風邪なんてオレにうつしてさっさと治しちまえよ♡ver.渚





そ、そんな顔してないってば!!

ただ、ひた隠しにしている諸症状のせいで目が潤んでいるのは事実…

間近に迫る切れ長の瞳に、ここで万事休す、か…

しかし、


「そうか、オレのいないところで誰かに苛められたか…」

「…っ!?」

「…可哀そうに」


…っ、顔近いぃぃい─────!!!

確かにそれはそうなんですけど、あ、あの…


いろいろドギマギするアタシをよそに、頬を指の裏でなぞりながらターゲットを横目でチラリと渚くん。

しかもそれ完璧に嫌味だよね。なんか物凄くわざとらしいし。まったくどれだけ鬱憤溜めるんだっての。

だけど、実はちょっと…嬉しかったり!?

確かに誰かさんには苛められたけどさ。それに…

そんなにアタシと過ごす休みを楽しみにしてくれてたのかなって。

そう言えたら、少しは可愛げのある女の子になれるかな…

いっそ熱のせいにして、素直に言えたらいいのに…


「………」


って言っちゃダメだろ。今はダメ‼

ちなみにターゲットロックオンされた明智氏といえば、そもそも聞いていないのか、聞こえないふりをしているのか、素知らぬ顔で戻された書類の処理にあたっている。さすが魔王の家臣だ、感心する。

しかし、そんな彼の完璧でスーパードライな態度はこのオトコのドS心にさらに火をつけてしまったらしい。


「すまない、千隼。明智はお前に妬いているだけなんだ…」




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