この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
他人の妻、親友の夫
第9章 浮気の境界線
広場を横切っていると小さなサッカーボールが転がってくる。
その後ろを「待てーっ」と叫ぶ子供が走って追い掛けていた。
ボールを軽く蹴って男の足元に戻してやると遠くから父親らしき男が「ありがとうございます!!」と声をかけてきた。
不釣り合いなほど大きいボールを持った少年は笑いながら父親のところへと戻っていく。
「子供、可愛いよね」
志歩に背後から声をかけられ、海晴は我に帰る。
「そうか? いたらいたで大変だぞ」
振り返って笑ったつもりだった。
どんな顔をしていたのか、不安になる。
少なくとも志歩の顔は笑ってはいなかった。
「ごめんね……海晴……」
志歩は子供が出来づらい身体だった。
それを知った上で、海晴は志歩と結婚をした。
その後ろを「待てーっ」と叫ぶ子供が走って追い掛けていた。
ボールを軽く蹴って男の足元に戻してやると遠くから父親らしき男が「ありがとうございます!!」と声をかけてきた。
不釣り合いなほど大きいボールを持った少年は笑いながら父親のところへと戻っていく。
「子供、可愛いよね」
志歩に背後から声をかけられ、海晴は我に帰る。
「そうか? いたらいたで大変だぞ」
振り返って笑ったつもりだった。
どんな顔をしていたのか、不安になる。
少なくとも志歩の顔は笑ってはいなかった。
「ごめんね……海晴……」
志歩は子供が出来づらい身体だった。
それを知った上で、海晴は志歩と結婚をした。