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色んなコトしましょ
第2章 『わがままな犬』


またちゃんと、その小説は俺の元へと貸し出されていた。


おもむろに俺はそれを開いてみる。
その時、『わがままな犬』というタイトルの意味がようやく理解できた。

前に俺が書いた続きの所々に、上から二重線が引かれて彼女の手により訂正が施されている。

例えば『今まで買ったことのないような黒の少しセクシーなパンツ』という箇所は、
『レジに持って行くのもためらうほどの、男を誘うためにあるような黒いパンツ』となっていた。




より卑猥に、より大胆に、俺の文章が直されている。




「小説の続き」という形の「ご主人様の命令」。

その命令以上のことを求めるから『わがままな犬』なのだ。



喜びと恐怖が一辺にやってくる。
俺はどこまで、この司書さんについていけるのだろうか。



いや違う、俺が恐れてどうするんだ。
犬は犬らしくあるべきだ。
俺は飼い主なんだ。



犬が飼い主にお手をするように、彼女に忠誠を立てさせてやる。

俺は生意気な犬を躾けるべく、再びペンをとった。

猥雑な憤りが、俺の書く『わがままな犬』の続きに溢れ出す。



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