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色んなコトしましょ
第2章 『わがままな犬』
『こんなおもちゃでは物足りない。

 この疼きを止められるモノは、もうひとつしかない。

 私はご主人様に初めて声をかける。
 
 「待っています。」

 そう言って私は、ご主人様の目の前で図書館の男子トイレへと足を向けた。

 私の初めてをご主人様へ捧げる。

 犬の私にお似合いの、便所で。』





自分で書いていて、呆れてしまう。
こんなこと流石に彼女も付き合うわけがない。




しかし、わがままな犬を満足させるには、想像力のない俺にはこの手段しか残されていなかった。
小説『わがままな犬』の終わりが、俺にもわからなくなっていた。

彼女の底なしの欲望に、終わりがないせいだと俺は思った。



俺はこの小説を彼女が座る受付へ返却した翌日、不安と期待で胸をいっぱいにしながら図書館へと向かう。



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