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第10章 episode 2 ー社外業務ー

『朝は38度あったけど、薬飲んできたからだいぶマシになってる。ただそのせいで今めちゃくちゃ眠い。』
というメッセージが返ってきた。
少しして樹さんが課長のところに来て、事情を説明している。
課長の席は私の近くだから、会話の内容が聞こえる。

風邪薬飲んでるから社用車の使用を控えたいことと、得意先への訪問は今から電話で日程変更して、今日1日事務所内の業務にあてたい、というような内容だった。

「珍しいな、北川。鬼の霍乱ってヤツか？」

課長の言葉に憮然とした表情で、

「馬鹿じゃないことを証明しただけです」

と、答える。苦笑いしながらの課長の承認を得て、樹さんが自席に戻っていった。