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第8章 episode 0 ー北川sideー

夜、偶々車で出勤していた俺は、帰宅途中、夜道を歩く辻本を見かける。
彼女の家が西宮の方だ、というのは聞いたことがあった。
コレは…方向一緒だから乗れよ、と誘うチャンスだ。
車を停め、窓を開けて誘う。

「辻本」

「北川さん…」

「帰りなら乗れよ。家、西宮だろ？同じ方向だ。」

「いいんですか？」

「良くなかったら停まらないよ。」

素直にドアを開け、助手席に乗り込んでくる。

「失礼します」

「煙草臭いか？」

「大丈夫です。」

「ま、喫煙ルームで飯食ってるくらいだから大丈夫か。」

シートベルトを締めたのを横目で確認し、車を発進させる。