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第8章 episode 0 ー北川sideー

この間みたいにキスしたい。

けど今この状態でキスなんかしたら理性が飛んで車の中で押し倒してしまいかねない。

そんなギリギリの精神状態だったから、週末の予定も確認しないまま、マンションまで送り届けて別れた。

帰り道、咥え煙草で運転しながら、お試し期間なんて余計な提案しちまったなぁ、と後悔した。

こんなにも彼女が欲しいのに。

いつになったら頂けるんだろうか。

でも、早々に手出して、こんな人だと思わなかった！とか、引かれたらもう目も当てられないしな…

やっぱりそのタイミングは彼女に任せるのが無難だろう。

つくづく、惚れた側ってのは立場が弱い、と感じる。