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瞳で抱きしめて
第2章 抱きしめたい
夏休みの間、光は作戦会議で約束した週の半分の夜間以外はほとんどを樹理の家で過ごした。


日中は店の仕事をする樹理の横で勉強をするか、高橋家の家事を手伝った。


真理は学生で、夏期休暇中のサークルの活動も活発らしく時折外出した。

雄介も大学生で夏休みのはずだが、夜間は資格学校に通っているとのことで、日中はバイトに、夕方から学校にとなかなか忙しそうにしている。



なので1日の殆どの時間を光は樹理と二人で過ごした。



そんな中、早朝か夕方日が沈んでから、光は樹理と二人散歩にでかけるのが日課になった。

樹理と二人きりでゆっくりと歩くこの時間が、光にとって1日で一番大切な時間だった。

このときの会話で、光は樹理の家族について、そして何よりも樹理について深く知ることができたからだ。



樹理の短大卒業と同時に、彼女に店を任せて両親が海外で仕事を始めたこと。

樹理は短大で経営学を学んでいたこと。

でも実は美大に進学したかったこと。



隣を歩く樹理の横顔は、いつも光の胸を高鳴らせた。


明るい話をしているときも、少し切ない話をするときも。




━━━━━とてもキレイな目をしてる。




光は思った。




━━━━━きっとこの瞳に見つめられたから、樹理さんを好きになったんだ…

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