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口琴
第16章 妹の体温
さっきまで及び腰だった聖だが、表情が一転し"牡"を滲ませていた。

蕾の小さな唇の隙間へ捩じ込むように、腰を突き出した。

「んぐっっ…!んんっ!」

「くっ!ぅっあっっー!」

温かく、柔らかく、濡れた粘膜。

行き場をなくした、小さな舌の蠢き。

聖は初めての口淫に、くらくらと目眩を覚えた。

ダメだ…

もう…

擦りたい!…

堪らず、身勝手な腰の衝動を許してしまう。

「あぁ、蕾っ!蕾っ!」

「んぐっっ!んんっ!ぅぐっっ!」

ボブカットが激しく揺れ、瞳が何かを訴える。

少し乱暴な抽送に、蕾は鼻呼吸のタイミングを失って、もがいた。

ハッと我に返った聖は、慌てて蕾の口から詰め物を引き抜く。

「ゲホッッ!ゲホッ!…」

酸欠で噎せかえる蕾の背中を擦りながら、自分の卑しく、独りよがりな欲望に呆れた。

「悪い…苦しかった?…俺…つい…。ほんと、ごめん」

「だ、大丈夫だよ?…もっと、して?…平気だから」

「…いや…でも、もう俺…優しく…できないかも…」

「ううん…いいの。…聖君を…もっといっぱい…知りたい…」

「…蕾…」

柔らかく微笑んだ蕾は、両手で肉茎を支えると、紅い唇をそっと開き、尖端から頬張った。

ジュプ…チュパ…チュパ…

優しい抽送は、聖のペニスを心地よく摩擦し、蕾の小さな顎が外れはしないかと思うほど、口内で硬く肥大していった。

唇のすぼまりと、口内の圧迫感、濡れた舌の蠢きに聖の意識が白く遠退く。

頬を染めて健気に頭を揺する少女。翡翠色の瞳を潤ませながら、時折聖を見上げる。

…蕾を愛してる…

…妹だけど…止められない…

「はぁっ…はぁぁ…蕾っ…。俺…もう…はぁ…」

…神様…今夜だけ…許して…

「…挿入れたい…」

蕾がコクンと頷く。

唾液にまみれた肉棒が、糸を引いて抜き出され、淫靡に揺れながら、その時を待っている。

聖は、コンドームのパッケージを口で破り、逸る肉棒を慰めつつ、なんとか手こずらずに装着した。

蕾をそっとベッドへと横たえると、膝を開いて躰を割り込ませた。

「…繋がろう…」

「…うん…」

お互いの瞳を見つめ合い、聖は反り勃ったモノを熱く潤った蕾の割れ目にあてがった。

クチュ…ヌチュッ…

すげー…ヌルヌルだ…
ここ…だよな?…

蒼い肉棒は、漸く未知の世界への入り口を探り当てた…。
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