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口琴
第7章 蠢く幼い指
敬介は、朝からいつもに増して苛立っていた。
それは夏休みの間だけ、梨絵がパートを増やした事が、そもそもの原因だった。
中條からの数千万と言う莫大な負債を、幼い子どもの躰でご破算にして貰おうなど、親として人間としてあるまじき事。
梨絵は、出来る限りの事をしなければと思っていた。
気に入らないのは敬介。
自分は働かないクセに、妻にばかり働かせ、その上子どもの躰まで売り、自堕落に生きている。
そして、妻だと言うことを良い事に、梨絵の躰を好き放題に弄んだ。
昼と言わず夜と言わず…。
性欲に任せ、それはまさしく猿同然だ。
娘達が邪魔ならば睡眠薬で眠らせる…。
梨絵がパートの仕事を増やすと、セックスしたくてもできない日が増える。金もないので風俗へも行けず、溜まる一方で、苛々するのだ。
この日梨絵は、昼間のバレエ教室の仕事を終えて早く帰宅した。
パートは、他のパート仲間の都合で日を振替え、ジャズバーも今日はたまたま休みだった。
質素な夕食を終え、梨絵と蕾と梓は久しぶりに一緒に風呂に入った。
入浴後、梓は梨絵に絵本を読んでもらい、蕾は宿題をしていた。
母娘がゆったりと過ごしていると…
「おい、蕾!もう遅いから早く梓と寝ろ!」
いきなり敬介が怒鳴った。
「え?でもまだ宿題が…。それにまだ七時だよ?…寝るのは早いよ…」
「うるせぇんだよ!子どもはもう寝る時間だ!つべこべ言わずに寝ろ!」
「うぇ~ん!まだ眠くないよぉ~!」
梓が泣き出すと、敬介は梨絵を睨み、"早く"と言うように顎をしゃくる。
「……」
梨絵は敬介の腹の内が分かる。だからこそ返事を拒んだ。
しびれを切らした敬介は益々苛立ち、いきなり梨絵の躰を蹴り飛ばした。
何度も、何度も。
「ウッ!やめてっ!嫌っ!アゥッ!」
敬介の暴力は止まらなかった。
「ウワァ~ン!ワアァ~ン!」
梓が大声で泣き出したので、蕾は梓を抱きしめた。
「あずちゃん、あずちゃん!泣かないで?大丈夫だよ?お願い。泣かないで。ね?」
蕾があやすと、ようやく梓は涙を止め、敬介の暴力がおさまった。
「グスッ…ママァ…」
「あずちゃん、いい子だから寝よう?そうだ。ネエネが絵本読んであげる」
「ほんと?ネエネが?」
「うん。さあ、ベッド行こう?」
「…うん…グスッ…」
それは夏休みの間だけ、梨絵がパートを増やした事が、そもそもの原因だった。
中條からの数千万と言う莫大な負債を、幼い子どもの躰でご破算にして貰おうなど、親として人間としてあるまじき事。
梨絵は、出来る限りの事をしなければと思っていた。
気に入らないのは敬介。
自分は働かないクセに、妻にばかり働かせ、その上子どもの躰まで売り、自堕落に生きている。
そして、妻だと言うことを良い事に、梨絵の躰を好き放題に弄んだ。
昼と言わず夜と言わず…。
性欲に任せ、それはまさしく猿同然だ。
娘達が邪魔ならば睡眠薬で眠らせる…。
梨絵がパートの仕事を増やすと、セックスしたくてもできない日が増える。金もないので風俗へも行けず、溜まる一方で、苛々するのだ。
この日梨絵は、昼間のバレエ教室の仕事を終えて早く帰宅した。
パートは、他のパート仲間の都合で日を振替え、ジャズバーも今日はたまたま休みだった。
質素な夕食を終え、梨絵と蕾と梓は久しぶりに一緒に風呂に入った。
入浴後、梓は梨絵に絵本を読んでもらい、蕾は宿題をしていた。
母娘がゆったりと過ごしていると…
「おい、蕾!もう遅いから早く梓と寝ろ!」
いきなり敬介が怒鳴った。
「え?でもまだ宿題が…。それにまだ七時だよ?…寝るのは早いよ…」
「うるせぇんだよ!子どもはもう寝る時間だ!つべこべ言わずに寝ろ!」
「うぇ~ん!まだ眠くないよぉ~!」
梓が泣き出すと、敬介は梨絵を睨み、"早く"と言うように顎をしゃくる。
「……」
梨絵は敬介の腹の内が分かる。だからこそ返事を拒んだ。
しびれを切らした敬介は益々苛立ち、いきなり梨絵の躰を蹴り飛ばした。
何度も、何度も。
「ウッ!やめてっ!嫌っ!アゥッ!」
敬介の暴力は止まらなかった。
「ウワァ~ン!ワアァ~ン!」
梓が大声で泣き出したので、蕾は梓を抱きしめた。
「あずちゃん、あずちゃん!泣かないで?大丈夫だよ?お願い。泣かないで。ね?」
蕾があやすと、ようやく梓は涙を止め、敬介の暴力がおさまった。
「グスッ…ママァ…」
「あずちゃん、いい子だから寝よう?そうだ。ネエネが絵本読んであげる」
「ほんと?ネエネが?」
「うん。さあ、ベッド行こう?」
「…うん…グスッ…」