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口琴
第8章 悪魔の棲む家
今夜、梨絵はジャズバーの仕事。いつも帰りは深夜一時を過ぎる事が多い。

梓は夕方の子供向け番組に釘付けだ。

蕾は蒸し暑い廊下に佇み、乱れ打つ胸を押さえて敬介の話し声に聞き耳を立てた。

「社長、すぐにでも娘をお連れになって下さい。

………へ?…それはどういう事で?

……はい…では…蕾は中條家の養女と言う事ですか?

あぁ~社長、やっとその気に…あ、いや…なんでもありません…。ヒッヒッ…。

…しかし…私共としましては、そのぉ~…大切な娘を手放す訳ですから…そのぉ…ねぇ?社長…ヒッヒッ…お察しですよね?

え?そ、そんなぁ~人聞きの悪い。私だって可愛がってましたよぉ?

………へ?……ごっ五億?!

ほ、本当ですか?!

わ、分かりました。その条件で手を打ちましょう。大切な娘を手放すのは親として、断腸の思いではありますが、他でもない中條社長のご希望とあらば、お断りする理由はありません。

ヘッへッ…。

で、これからどのように?

…なるほど海外へと言う事にして、実は幽閉するって寸法ですな?あ、失礼。これまた言い方に語弊がありますかね?ヘッへッ…。では家庭裁判所や学校、役所などには社長の方で手を回して頂けるのですね?

なるほど…児童相談所にまで…。

はぁ~、さすが中條グループの社長。国家権力をも捩じ伏せるお力をお持ちですので、こんな小さな街の自治体など社長の掌で、どうにでも転がせるって訳ですね?ヒッヒッ…。

あ、いえ…そう言う意味では…。これまた失言でした…。申し訳ありません…。

この件については、妻にも蕾にも内密にお願いします。いえ、妻に話すと何かと面倒ですし、同意書等は私の方で…。なぁに蕾なら大丈夫ですよ。初めは多少戸惑うかも知れませんが、社長に可愛がられ、なに不自由無く暮らせる事が、あいつにとっても幸せだってすぐ気付くでしょう。ヘッへッ。

いつもの"お泊まり"って事にしておきますんで、ヒッヒッ…。大丈夫です。お任せ下さい。

数々の美少女の中から、蕾を社長の"最愛器"に選んで頂き、光栄です!

では、明日お待ち申し上げております」

敬介は米つきバッタのように頭を下げ、電話を切ると、不敵な笑みを浮かべた。


蕾には何が何だか理解不能だった。ただ、自分に非常な事態が起こる事は間違いない。

氷のような汗が一筋、背筋を伝う。

…助けて…聖君…。
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