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第4章 そのよん

―――――――『もう！！何度言ったら分かるのぉ？？』


トラブルメーカーで名を馳せている坂城すずは、
その名実通り撮影開始直後に駄々を捏ね始めた。。


『あたしは、
触られたくないの！
上手く触ってる風に演じてよっ』



撮影スタッフが「やれやれ……」
と重い空気になる。




翔汰は、
ベッドに上がったまま困惑中だ。

（触られたくないセクシー女優ねぇ………）
呆れてしまう。



設定は【女子大生ナンパ･ラブホ隠し撮り】
と非常に分かり易いのだが。当の〔女子大生〕がナンパされた感一切ナッシング。

（触られたくない、かよ…………）

どうすりゃいいのソレは………
翔汰は、
フレアのミニスカートにニーハイ、ニットソー姿でベッドに横たわったままギャーギャー喚くすずを眺めた。



『何見てるのよぅっ』
噛みつくように怒るすず。

ふと、
翔汰は閃いた。


スタッフに向かって『すみませんが、
一旦中断していただけませんか？』と告げる。


スタッフは『まだ撮影始めたばっかよ？』
『何考えてんだよ』
と怒りの矛先を翔汰に向ける。
翔汰は頭をペコペコ下げて『お願いしますよ、
僕、ムスコが元気なくって』
と真っ赤な嘘を云う。
実際は既にビンビンだ。


スタッフは『仕方ねぇな、5分だけだぞ』
と別室に向かって出ていった。マネージャーも丸投げして出ていき、
すずと2人きりになる。