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イカせ屋稼業
第10章 〜番外編〜


緋路が入れたポイントを皮切りに、
うちの学園がノってきた。

バスケに詳しくないけれど、
見ていてよく分かる。



控えメンバーも総立ちで叫んでいた。

「ディーフェンス!!ディーフェンス!!
打たせるなよっ」

1階から聞こえてくる。




「――――あっ!」
横から凪の短い悲鳴がした。
「あーっ!!あれワザとだよね?!」



ディフェンダーからパスを受けた緋路がドリブルを始めようと踏み出すと、
相手校のメンバーが体ごとぶつかった。


2人絡まって転がる。



「………あれ、緋路動かないよ?」
裕希が心細い声を出した。


1階では倒れたままの緋路の周りにメンバーと監督たちが集まっている。

一緒に倒れ込んだ相手チームのメンバーは、
よろけながらも立てって汗を拭っていた。


「――――あたし、
見てくる!」
凪が駆け出した。
「あっ、凪ちゃん!
……俺も見てくる」裕希もマラカスを置いてバタバタと走っていった。


「大丈夫かなぁ?」
「ケガ、してないといいけど……」
クラスの女子たちがざわつく。
「あれ?担架で運ばれてくよ?!」
「うっそ、マズイんじゃないの」




―――俺は駆け出した。
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