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イカせ屋稼業
第10章 〜番外編〜
運ばれた緋路。


「あちゃあ………
これは、結構ガッツリ捻ってるな……ん?」
監督が長椅子に寝た緋路の脚を持ち上げる。


「痛いっ!!……痛ぅっ………」
緋路が背中を丸めて歯を食い縛った。


「医者行かなきゃな。
間宮、今日は早退だ。
外科に行くぞ」

監督は緋路を名字で呼び、深刻な声でそう言った。


凪・裕希・俺はドアから覗き見るだけで、
雰囲気的に近寄れない。


「え………少し休めば大丈夫ですって!!」
緋路がムキになる。

が、
監督は「―間宮。脚に違和感がある。
念のためにCTを撮ろう」
と渋面で言う。


「………えっ…………」
緋路は驚いていた。



俺たちはハラハラしながらも見ることしか出来ない。

付き添いのバスケ部員が、「間宮、大丈夫だ。
武宮がお前のぶんも動くから。今日だけは監督に従って病院行ってこい」と諭す。

口ぶりから3年なのだろう。



緋路は悔しげに顔を歪めた。

が、
再び担架で外に運ばれていってしまった………………………
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