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イカせ屋稼業
第10章 〜番外編〜
「……大丈夫だよ。
夏の総体に出られないから、
ちょっと……かなりショックだけど」



「手術日は、いつ?」


「来週末。金曜だよ。
―――俺も凹んでるけどさぁ。凪が泣いちゃってさ(苦笑)ビックリしたのもあるんだろうけど」



凪。

浅間凪………


緋路の彼女だけあって、
真面目で凄く良い子だ。


「今から行っていいかな」俺は胸に込み上げる苛立ちそのままに、
緋路に訊く。


「いーけど……
俺横になってなきゃいけないし、何も出ないよ?
医者に授業以外は動くなって言われちゃってさぁ」

そうなんだ、分かった、と呟きながら拓矢は足早になる。


最寄り駅に入って電車に飛び乗った。


緋路の家まで4駅。



平日だから車内はサラリーマンやOLの姿が多い。

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