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イカせ屋稼業
第11章 そのじゅう
―――――――――――

単独撮影を終え、
甲斐のワゴンで例の洋館に帰る途中。


翔汰はイライラしてぶっす〜〜〜っとむくれている。

『翔汰、どうしたぁ?珍しいな、お前が怒ってるなんて』



『甲斐さん。
KANAMEって男優ってどんなヤツなんすか?』



『………もしかして何か絡まれたか?』


甲斐は撮影中は室外で待機しているため、
詳しく知らない。


『何か………すんっごい嫌なヤツでした!
女優さんを加減なしで叩くし、暴力的だし』



『ああ(苦笑)
そういうワイルドさが売りなのは確かだよ。
見た目そのまんまの男優だなぁ。
翔汰は誰にでも合わせるから、先に言うの忘れてた』

『甲斐さん〜〜〜………
俺、あいつは個人的に無理っす……仕事はしますけど』
翔汰はハァーッと息を吐く。

(潰すって、何だよ…………?)不穏な気がしたが、甲斐に言うのを躊躇う。


すると甲斐がさらっと言った。
『あ、確かアイツもゲイだったなぁ』





翔汰は『はあ?!』と大声をあげた…………………………


(それなら、キスの意味が違ってくるじゃんか)

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