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イカせ屋稼業
第11章 そのじゅう
からかう意味のキスかと思ってた。



『ちょっと待ってくれよ………』


洋館の前でワゴンから降り、
立ち去る甲斐を見送りながらぼんやりした。



『………いや、でもからかう意味だったのかも?!
そーだ、そうだよ』
1人言を言いながら門戸を開くと……



ブ〜〜ブ〜〜♪♪♪


スマホがバイブする。

『着信だ。誰だ…?
―――はい?』


『もしもしィ?』
―――KANAMEだった。


『………は………
は?アンタなんで俺の番号知ってるんだよ?』


『ワンコのストラップが着いたバッグ、
君の荷物でしょ♪拝借して打ち込んどいたの、俺のアドレスもラインIDも』


『………何が目的?』
翔汰は怒りを通り越して冷静になってきた。


『何って……
言ったじゃん、君と拓矢を潰すって』


『ゲイなんだってな?』


『……あ〜〜〜バレちゃってたか…。
うんまぁそうだよ。
バレてるなら話が早い。
拓矢に言っといてくれないか?
「蒼井翔汰は貰う」って。じゃね、また連絡すっから』


『あ…』

プツッと通話が切れる。


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