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イカせ屋稼業
第11章 そのじゅう
翔汰と拓矢は、
バンワゴンに乗って撮影場所へと移動する。



バンワゴンはホテル街の一角へと進んだ。



『はい、着いたぞ〜』

甲斐が言う。



何部屋かを撮影会社が入れ替わり立ち替わり使っているという。


狭く暗い廊下を、
翔汰と拓矢は進んで行った。



壁伝いに鉄扉があった。


前を歩く甲斐に『もしかして…このホテルって…』
翔汰が呟いた。


『お、よく分かったなぁ。SM専用ホテルだ。
お前ら、リキ入れてんだぞ?〔怪我人コスプレ〕DVD。雰囲気出そうと思ってな』



『コスプレつーか俺怪我人なんすけど……』
拓矢が苦笑する。




『この部屋だ。
――カメラマンは後から来るから、
部屋を見て慣れておけ。
拓矢にはメイクさんが来るから』



『リキ入ってんすね……』最近、
メイクやら着替えすら自分たちでしてたというのに。


『そうだ!
――だから仲違いはすんなよ?
〔魔の手〕に唆されないようにな(笑)』
甲斐が翔汰を見て笑う。


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