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第11章 そのじゅう

『お久し鰤の照り焼き〜〜〜♪♪♪』
と聞き覚えのある声が…………




「『やっぱり………』」
ふたりは何となくそうじゃないかなと思ってたカメラマン・
イージー・サトウを見た。

『鰤の照り焼きすか、
今日は』



『そぉよ〜♪♪
最近和膳の美味しいお店見つけたのよん♪
さーさ、あんたたち……
今回は社長から〔気合い入れて撮ってよ？〕って念を押されてるんだからー』


やっぱりアロハシャツに短パンのイージーは、
目を光らせる。


『アロハ、
どこのブランド？』
拓矢は気になるようで訊いている。
『これはねー、
ホノルルにある〜〜〜』
イージーもイージーで真面目に返す。
『ネット販売してないわよ？』


『えー………そうなんだ……』
拓矢は欲しかったのか？
ガックリ肩を落とした。


翔汰は（ぷっ………
か、かわいい………）とこっそり笑う。


メイクさんが到着し―――まともな（？）女性だ―――、
早速拓矢は〔怪我人コスプレ〕の用意をする。