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第11章 そのじゅう

―――――――撮影が始まった。


包帯男がニヤニヤしながら、
サラリーマン――今日はワイシャツ&ズボンだ――を正座させて見下ろしている。




『さぁ〜て。
蝋燭と鞭、両方してあげようかな♪』
含み笑いをする拓矢。


サラリーマンは正座をして拳を太ももに置いて、
辛そうに首を垂らしていたが…………


『……ぅわあああっ！』
突然大声を出して包帯男の脚にタックルした。


『――！
何す……っ』
包帯男は尻餅をつく。


サラリーマンの目はギラついている。

『お前にも、し返してやるっ！
ヤられるばっかりで堪るもんか、こっちも男だっ』

やけくそだという風に包帯男を抑えつけた。


いきなり豹変したサラリーマンに、
包帯男は意表をつかれて転がったままになる。


サラリーマンは、
手に犬の首輪のようなものを握っていた。

『や、やめろ！』包帯男は身を捩りつつ叫ぶ。



―――翔汰と拓矢は昨日、「途中で役割を交替しようぜ」と打ち合わせをしておいた。

ざっくり粗筋だけ組み立てたから、
その時に雰囲気を見ながらプレイしてきたのだが……