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イカせ屋稼業
第14章 そのじゅうに
________『OFFぅ?
半日ぃ?』

〔ミントリア〕所内に響いたのは翔汰の声。


『ラッキー』
しれっと言う拓矢。
塩メロンパンを囓っている。


『うん。百合絵社長からお達し。
まぁ昼までだから、
あと3時間だけだな』
甲斐が腕時計をチェックする。


『え~~~………………
OFF多くないっすか?ヤバいんじゃあ……』
翔汰は要らぬ心配をする。



『あー、そりゃ杞憂だよ。
今日のは本当に監督さん&スタッフさんが取りやめたからね。違約金ガッポリ入ったぞ』


『どうふる?ひょーひゃ。
ひょひょでへふ?』


『何語だよ、拓……………』


拓矢はごっくんと飲み込むと、
『どーする?しょーた、
ここでねる?』と言い直し(?)た……



『お前さー、
どうやったらそんなに眠れんの?
朝だって甲斐さんが来る10分前まで爆睡してたじゃねーか?
あっこらパン屑を溢すなぁっ!』
慌てて拾う翔汰。


間に合わなかったから塩メロンパンを食べている。


翔汰の場合、
間に合わないなら食べずに撮影前にマネージャーに買っといてと頼むが。



拓矢は朝イチから輝くように美しい。


『あ、屑の中にチョコチップが~~~……………』
がっくり項垂れている。

台無しの美しさ。



(ま、そこがいいんだけどな)
翔汰は思う。




『じゃー、2人はここにいるんだな?
俺、今のうちにダッシュで嫁迎えに行くから!
拗ねて友達んちに逃げてんだわ。じゃっ、
昼過ぎな!』

甲斐がはバタバタ去った。



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