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イカせ屋稼業
第14章 そのじゅうに
『_____想さん。
ちょっと、腕貸して?』


『ん?何だ?
腕相撲?』


想は訝りもせず右手を差し出す。


KANAMEはその腕を掴み、白い肌に額をコツンとつけた。


『了……………………?』




アツい。

額の触れた部分が。


脈が伝わってくる。


想の鼓動の欠片。  



パッと額を離して顔を上げた。

『ははは、
俺の悪運送っといた~~~~~』
ニカッと笑う。




『あっ!
了、お前このやろ!』
想は邪気なく笑っている。





『んじゃ、帰りますわ~。
仕事頑張ってね、想さん』
KANAMEは立ち上がる。


『え、もう帰るのか?
ゆっくりしてけばいいのに』



想さん、
ソレは無理だ。


俺我慢するの大嫌いだから___。





『じゃーな~~~~~』
KANAMEは後ろ姿で手を振った。



マンションを出て歩く。


もう、〔KANAME〕に戻っていた。


『さて。
ハントするか』

KANAMEは口笛を吹きながら、
歓楽街へ向かう…………………………………………



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