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イカせ屋稼業
第15章 そのじゅーさん~未来へ~
『イージーさん。
妹がいつもお世話になってます』

榊理が、
恭しくイージーに頭を下げる。



『よく、病気を隠したわね百合絵は…………。
もう休めば良いのよ。
今まで走り続けてきたんだから』

イージーの声が低くなる。



『甲斐さん?
僕も凄く良い案だと思いましたが……
鴫ハルコさんといえば〔絶海大蛇〕〔鳶が奔る〕
で映像新人賞を総ナメにしましたよね。
そんなカメラマンが〔エロス〕を表現するなら………
当然素晴らしいものになるはず。話題性が高いですし』
理が甲斐を真っ直ぐ見据えた。




甲斐が俯く。

『________お恥ずかしい話ですが。
私はマネージャーとして貢献してきた自負があります。
百合絵社長から期待を受け、一心不乱にふたりをマネジメントしてきました。
が…………
上役になることに未だ一歩確信が持てない。
百合絵社長がしてきたことを受け継ぐ自信が足りないんです』
ぐっと拳を握る。





『出来ないなら頼まないわよ』
個室の扉が開いた。


『百合絵!寝てなさいよっ』

点滴を引きながら顔を出した百合絵に、
イージーが怒る。


『大丈夫よ。
自分の体のことだもの、分かるわ。
甲斐、あなたに任せたのはあなただからよ。
鴫さん…………
1ヶ月ね?
いいわ、写真集を出してみなさい。
但し!コケたら許さないわよ?』

百合絵が鴫ハルコを睨むように見る。


目が妖しく光っていた。




鴫ハルコは『_____はい!
ありがとうございます、必ず………
必ず人の心をざわつかせるような作品にします』
と頭を下げる。
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