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イカせ屋稼業
第1章 そのいち
(こんの野郎………)
不覚にも快感を感じてしまった。


恥ずかしさから悔しく、
翔汰は後ろ手で拓矢の股間を撫でた。


膨らんでいるそれを擦る。

イタズラをするような気持ちだ。
(こうしてやるっ)


ツンツンつついて、
撫でる。


拓矢の吐息が『はあっ…………』
と耳に届いた。

切れ長の目を伏せ気味にする拓矢。


翔汰は設置してある四角い椅子に腰を下ろし、
ニンマリと笑い立てったままの拓矢を見上げた。


カメラのシャッター音が続けて響き、
『おっ、良い表情!
じゃれあう兄弟ってトコだね〜』とスタッフが言う。


(あ、そうか…)
翔汰は閃いた。
(いたずらっ子の弟を演じればいいかも)


拓矢は背がかなり高い。
180はある。

翔汰は腰を低くした姿勢で拓矢の背後に回った。
脇腹をくすぐるように、抱き着く。


『あっ、ははっ』
拓矢が変な笑い声を挙げた。
くすぐったいのだろう。

『こうしてやるっ、
えいっ』
ジャケットの裾から手を入れて、
翔汰は胸板を撫でた。


『お前っ……あはははっ…
く、くすぐったいって…』

『さっきのお返しだ』


2人は笑い合い、
カラダを弄り合った。




『オッケー!
じゃれあうの良いね。
じゃあ……
今度は真剣に見つめ合おうか』スタッフが指示を入れる。


拓矢はコホン、と咳払いをした。

翔汰も(見つめ合う、か…………)
と真剣な面持ちを作る。
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