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君をこんなに愛してる
第9章 白い世界の中で
空の皿をワゴンの上に放置して
わたしはそっと立ち上がった。
白い壁、白い床。
はめ殺しの窓は、すりガラスだから外の景色は見えなかった。
絢人さんの寝室よりも狭いこの部屋には、書斎机とは言えない小さな机がひとつ。丸椅子がひとつ。ベッドにクローゼットに……
そして大きな木製の本棚が、一方の壁を覆っている。
“ 本…、たくさん ”
びっしりと並んだそれらの本の中には、絢人さんが好きだったものが多く混じっていた。
背表紙に書かれた書名を目で追えば、彼との思い出がよみがえるようだ。
わたしはあまり読書が得意じゃないから、その趣味に同調することはできなかったけれど。
わたしは本より漫画が好きで、漫画よりドラマが好きな女の子だったから。