この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第4章 第二話【花影】-其の壱-
「全っく、しょうのねえ奴だな。頑固なところまで、あいつにそっくりなんだから」
 父の言う「あいつ」とは、むろん母お絹を指す。
「あいつもとことんお人好しのくせに、一度言い出したらテコでも動かねえ頑固なところがあったもんな」
 その台詞はお彩にというよりは、むしろ伊八自身に自分が語っているように見える。
 父の眼は遠かった。お絹が突然逝ってから三年の月日が経っていたけれど、母は今でも父の心の中で生き続けているのだ。
 お絹は、母は幸せな女(ひと)だとこんな時、お彩は心から思わずにはおれない。女としてここまで愛される男にめぐり逢えることは稀だろう。だとすれば、父にめぐり逢えた母はたとえ短い一生ではあっても、けして不幸ばかりではなかったと思うのだった。
―たとえ小さくても良い。心に自分だけの花を咲かせるんだよ。
/1605ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ