この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第36章 第十四話 【雪待ち月の祈り】 其の弐
「だから、先ほども申し上げたじゃございませんか。うちの旦那さまは怖いお方だと。その意味がやっとお判り頂けたのではありませんか。つまりですね、旦那さまは、お内儀さんとお嬢様が京屋にお戻りにならない際は、この土地を即返還して頂くと、こう申されているのです」
「それは、つまり、私とお美杷の身柄とここの土地をひきかえにするってことですね」
お彩は茫然と呟いた。
「流石はお内儀さん、お察しがお早いようで」
泰助が陰にこもった笑いを洩らした。
「旦那さまは五日は待つとおっしゃっています。ですが、それ以上は一日たりとも待てないと。もし、お内儀さんがあくまでもこの要求を突っぱねるおつもりならば、こちらにも覚悟がある、申し訳ないが、ここの土地はすぐにもお返し頂くと申されておいでです。
「それは、つまり、私とお美杷の身柄とここの土地をひきかえにするってことですね」
お彩は茫然と呟いた。
「流石はお内儀さん、お察しがお早いようで」
泰助が陰にこもった笑いを洩らした。
「旦那さまは五日は待つとおっしゃっています。ですが、それ以上は一日たりとも待てないと。もし、お内儀さんがあくまでもこの要求を突っぱねるおつもりならば、こちらにも覚悟がある、申し訳ないが、ここの土地はすぐにもお返し頂くと申されておいでです。