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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第36章 第十四話 【雪待ち月の祈り】 其の弐
「でも、この店は旦那さんが建てたものなのでは」
お彩は言い淀んだ。
喜六郎が悔しげな表情になった。
「確かに店そのものは俺が建てたものだが、土地自体は京屋さんの所有ということになっている」
そこで、泰助が訳知り顔でしゃしゃり出た。
「つまり、土地の持ち主が土地を返して欲しいと言えば、借り主は素直にそれに応じなければならないのですよ」
「でも、どうしてなんですか。何で今頃になって急に、土地を返せだなんて」
お彩が激昂して言うと、泰助は口許を歪めた。
お彩は言い淀んだ。
喜六郎が悔しげな表情になった。
「確かに店そのものは俺が建てたものだが、土地自体は京屋さんの所有ということになっている」
そこで、泰助が訳知り顔でしゃしゃり出た。
「つまり、土地の持ち主が土地を返して欲しいと言えば、借り主は素直にそれに応じなければならないのですよ」
「でも、どうしてなんですか。何で今頃になって急に、土地を返せだなんて」
お彩が激昂して言うと、泰助は口許を歪めた。