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ただ、あなたに逢いたくて~心花【こころばな】~
第37章 第十四話 【雪待ち月の祈り】 其の参
 その四日後の昼下がり、お彩は安五郎と共に随明寺に出かけた。昼のかき入れ時もひと段落して店の方も落ち着いたのを見計らい、喜六郎が二人で紅葉見物にでも行ってこいと出してやったのである。
 お美杷は喜六郎がその間、面倒を見てくれることになった。この三日間、喜六郎は二階で寝たり起きたりの生活を過ごしており、代わりに安五郎が包丁を握っていた。昨日は鍼医者に来て貰ったせいか、腰の方はすっかり塩梅が良くなったようで、今日からはまた板場に戻っている。
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